好酸球増多症候群

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好酸球増多症候群(HES)の診断基準

基礎疾患がなく著明な好酸球増多を伴い、種々の臓器障害をきたす病態があります。好酸球増多症候群(HES)がそれです。1968年にHardyとAndersonにより定義された診断基準は以下の通りです。


1500個/μL以上の好酸球増多が6ヶ月以上続くか、またはそれ以前に患者が死亡する。
寄生虫症やアレルギー疾患など、他の好酸球増多をきたす疾患が除外できる。
好酸球浸潤による臓器障害がある。
以上の3点です。理由はわかりませんが、9対1で男性に多い疾患です。HESの臨床症状は障害臓器により様々ですが、食欲不振や体重減少、微熱などの非特異的な症状で発症することが多いようです。心臓の症状としては刺激伝導系の障害やうっ血性心不全、呼吸器症状では肺炎や胸水、神経症状では意識障害や末梢神経炎、消化器症状では肝脾腫や下痢などが認められます。皮膚に紅斑を認めることもあります。好酸球は中等度からしばしば高度の上昇がみられます。臓器障害が明らかな場合には積極的な治療が必要で、通常副腎皮質ホルモンが使用されます。60mgで治療を開始し、好酸球数の減少を確認しながら減量をします。ステロイド抵抗性の症例にはHydroxyureaやインターフェロンなども使用されることもあります。特殊な治療としてはリンパ球除去や骨髄移植がおこなわれることもあります。ステロイド薬に反応する場合には一般的に予後良好ですが、心不全や中枢神経症状がある時は不幸な転帰をとることもしばしばあります。