ギラン・バレー症候群

自己免疫疾患の疑いが強い。再発はほとんどない。

筋肉を動かす運動神経が傷害されて、両手両足に力が入らなくなる病気です。約3分の2の患者さんが、発病の1-2週前に風邪をひいたり下痢をしたりしています。手足のマヒの程度は発病してから1-2週以内にもっともひどくなり、重症の場合には呼吸もできなくなります。

人口10万人あたり年間約2人発症し、難病(特定疾患の中ではそれほど稀な病気ではありません。

男性の方がかかりやすいようです。赤ちゃんからお年寄りまで、どの年齢層の方も発病しうることが知られています。

半数の患者さんで、顔面もマヒし、目を閉じられなくなったり、呂律がまわらなくなったりします。ものが二重に見えたり、食事がむせたり、呼吸ができなくなって息苦しくなることもあります。
4分の3以上の患者さんが、運動神経だけでなく感覚神経も傷害されて、手袋をはめたり靴下を履いたりする部分にしびれを感じます。

単純血漿交換療法と免疫グロブリン大量静注療法の有効性が確立されています。この二つの治療法のうち、日本の健康保険の範囲内で治療を受けられるのは現在のところ単純血漿交換療法だけです。

免疫グロブリン大量静注療法と単純血漿交換療法が行われているイギリスでの数字をあげながら説明します。手足のマヒが進行するばかりでなく、4分の1の患者さん(日本ではそれほど多くないようです)が呼吸ができなくなり、人工呼吸器につながれます。手足のマヒの程度は遅くとも1カ月以内にピークに達します。数カ月以内に半数くらいの患者さんは徐々に回復していきます。発病してから1年後の時点では、6割の患者さんがほぼ完全に治っています。障害を残す方が3割、不幸にも急性期やその後の経過中に亡くなられる方が1割(日本ではそれほど多くないようです)います。

http://www2u.biglobe.ne.jp/~kye/giran.html