タバコの誤飲

こどもの誤飲のなかでタバコが占める割合が高いこともひとつであるが、タバコの有毒成分のニコチンが問題となっている。

タバコ中毒が恐れられるのは、ニコチンの致死量が成人で40〜60mg、乳幼児で10〜20mgと毒性が極めて高いこと。タバコを温水に1時間浸潤するだけで含有ニコチン量の70%が溶出し、しかも肺、皮膚、消化管かのいずれもからもたやすく吸収される。
タバコの箱に書かれているニコチンの量は火をつけてフィルターから回収出来る量を示しており、実際の含有量は10倍以上である。したがって、紙巻きタバコ1本のニコチン含有量は10〜20mgで、乳児の致死量に匹敵する。

しかし、現在までタバコ誤飲による死亡例の報告はなく、重篤例もきわめて稀なケースとされている。なぜなのだろうか。その理由として、乳児がタバコを口にしても実際の誤飲量が少ないこと。誤飲しても強酸性の胃液中では水と異なりタバコからニコチンの溶出が遅れるためニコチンの吸収に時間がかかること。吸収されたニコチンは強い催吐作用を有するため嘔吐により摂取量の大半が体外に排除されることなどが考えられている。

すぐに吐かせるのが肝腎だが、その際に水を飲ませないことがもっとも大事である。


参考: http://homepage3.nifty.com/kodomoER/accident/tabacco.htm