SM文学第一人者、団鬼六氏が選択…透析を断固拒否
延命より“男の美学”

透析拒否の“男の決断”を明かす作家、団鬼六氏。2年前、映画化された代表作「花と蛇」の主演女優、杉本彩さんとのツーショット時(左)と比べても変わらぬ生気を感じさせる
 慢性腎不全を患うSM文学の第一人者、団鬼六氏(75)が、主治医の「死にたくなければ人工透析が必要だ」との勧めを断固拒否している。延命はあさましいとする鬼六氏。傍らで何とか“延命”を図ろうとする夫人。男の美学と家人の想いは、どんなシナリオを描いていくのか。

 腎不全の兆候が表れたのは2年ほど前。腎機能の指数であるクレアチニン値(1.0程度以下が正常値)が、「だんだん上がってきまして、この5月には7を超えました。朝起きたら、もう疲れるんですよ。一日中、ゴローンと寝てる。次の検査で“おしまい”だと思います」(鬼六氏)。

 おしまいとは、「人工透析を受けなければ助からない」という医者からの宣告のことだが、やっかいなのは、鬼六氏がその人工透析を拒否していることだ。

 腎不全の末期症状としての尿毒症は、長く救命方法のない病態とされてきたが、透析療法の出現で患者の生活は一変した。それが団鬼六氏にかかるとこういう理屈になる。

 「人工透析いうたら、週3回、1回5時間もかけて体に穴開けて、血ィ抜いて入れ替えて、人造人間になったも同然や。そりゃあ、長生きできるそうです。けど、どうせ女ともできないしね。私、もう75ですよ。死に方を考える齢です。延命を図ったりするのは、あさましい

 理想の死に方は「腹上死」だという。かつて、ある女性にお願いしたところ、「先生は本望でしょうが、私は嫌です」と断られた経験が。ほかにも、検査入院中に抜け出して銀座に行くと、「酒飲むな」と怒られた医者とバッタリ出くわしたなどという“武勇伝”も。

 現在、人工透析で治療中の読者には不謹慎だが、鬼六氏の自由奔放な生き方を考えると、男の美学という気がしないでもない。

(多分、ほかにも理由はあるだろうけど、これだけが本音だという前提で)
偉いっ!!
ここまで達観した考えを持っているジジイが、この国には一体どれほどいるんだろうか?!