アイスクリーム頭痛

 ◇ののちゃん ううっ、イタ〜い。先生、頭がキーンと痛くなった!

 ◆先生 ほら、やっぱり。冷たい食べ物を急にたくさん口に入れたからよ。「アイスクリーム頭痛」って正式には呼ばれているの。

 ◇ののちゃん 先生も、痛くなったことある?

 ◆先生 ええ、何度かあるわ。でも、どのくらい強い痛みを感じるかは、個人差が大きいそうよ。

 ◇ののちゃん 冷たい物は口にあるのに、どうして離れた場所が痛いのかな。

 ◆先生 二つの説があるわ。一つは「神経に間違った情報が伝わるから」という説よ。冷たさの刺激は「三叉神経」などの神経を通じて脳に伝わるんだけど、かき氷を急に食べると刺激が強すぎて、神経の中継局のところで、情報が混線を起こしちゃうの。

 ◇ののちゃん ふーん。

 ◆先生 本来は「口が冷たい」という情報だけが脳に伝わるはずね。でも、刺激が強いと「冷たさ」を伝える神経だけでなく「痛み」を伝える神経も刺激されてしまうの。しかも「痛い」のは口ではなく、おでこの裏あたりという風に、場所まで違った情報が脳に伝わってしまうという説よ。

 ◇ののちゃん へー。もう一つは?

 ◆先生 「頭の血管に、実際に痛みが起きるから」という考え方よ。冷たさの強い刺激が引き金になって、頭の血管に軽い炎症が一時的に起きることがあるの。炎症が起きるのには時間がかかるから、食べてから数十秒くらいたってから痛みを感じる場合は、炎症説の方が説明しやすいわ。

 ◇ののちゃん どっちの説が、正しいのかな。

 ◆先生 最近では、二つの説はどちらも正しくて、これらの現象が同時に起きていると信じられているの。

http://www.asahi.com/edu/nie/tamate/kiji/TKY200509050238.html