クローン病
- 特定疾患(難病)に指定されている
- 炎症性腸疾患のひとつ*1
- 発症年齢は男性で20〜24歳、女性で15〜19歳
- 男女比は、約2:1で男性に多くみられる
- 消化管のどの部位(口腔にはじまり肛門にいたるまで)にも炎症や潰瘍が起こり得るが、小腸の末端部が好発部位
- 非連続性の病変(病変と病変の間に正常部分が存在すること)が特徴
- これらの病変により腹痛や下痢、血便、体重減少などが生じる
- 原因不明だが、なんらかの遺伝子異常が背景にあり、免疫系の反応異常により発症すると想定されている
クローン病を引き起こす原因となる特定の遺伝子はみつかっていないが、複数のの遺伝子異常と環境因子などが複雑に絡み合って発症していると考えられている。
- 近年では毎年1,500人前後の患者の増加がみられ、2004年度には23,188人の患者が登録されている(日本の患者数は欧米の1割程度)
- 環境因子、食生活が大きく影響し、動物性タンパク質や脂肪を多く摂取し、生活水準が高いほどクローン病にかかりやすいと考えられている
- 根本的な治療法はなく、完全な治癒は困難・・・基本は内科的治療だが、症状がひどい場合は外科処置も併用される
症状
- 患者によって多彩で、侵された病変部位(小腸型、小腸・大腸型、大腸型)によって異なる
- 特徴的な症状は腹痛と下痢(半数以上の患者で見られる)
- 発熱、下血、腹部腫瘤、体重減少、全身倦怠感、貧血などの症状(しばしば出現)
- 瘻孔、狭窄、膿瘍などの腸管の合併症や関節炎、虹彩炎、結節性紅斑、肛門部病変などの腸管外の合併症も多く、これらの有無により様々な症状を呈す
ロキソニン錠を潰瘍性大腸炎の患者、即ちクローン病患者に投与する場合、病態を悪化させることがあるので、慎重に投与しなければならない。
*1:大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症、または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患の総称